INJ(Injective Protocol)の将来性とは?特徴から買い方まで徹底解説

暗号資産の世界で、 分散型取引所(DEX) という言葉を耳にする機会が増えています。その中でも、 INJ(Injective Protocol) は、従来のDEXの限界を打ち破る革新的なプロトコルとして注目を集めています。

私自身、2020年からDeFiプロトコルの開発に携わり、数多くのプロジェクトを見てきましたが、Injectiveの技術的な完成度と将来性には正直驚かされました。なぜなら、これまで不可能だった株式や先物、為替などの伝統的金融商品を、完全に分散化された環境で取引できる仕組みを実現しているからです。

しかし、「技術が優れている」だけでは投資判断はできません。実際の価格動向、リスク、そして何より「本当に将来性があるのか?」という疑問にお答えするため、この記事では以下の内容を網羅的に解説します。

  1. 1. INJ(Injective Protocol)とは?基本概要
    1. プロジェクト基本情報
    2. なぜInjectiveが生まれたのか?
  2. 2. Injectiveの5つの革新的特徴
    1. 特徴1:完全分散型のオーダーブック
    2. 特徴2:あらゆる金融商品への対応
    3. 特徴3:高速かつ低コストな取引
    4. 特徴4:MEV(最大抽出可能価値)耐性
    5. 特徴5:クロスチェーン対応
  3. 3. INJトークンの価格推移と市場分析
    1. 価格推移の概要
    2. 価格上昇の背景
    3. 取引量と時価総額の分析
  4. 4. Injectiveの将来性を支える3つの要因
    1. 要因1:伝統的金融(TradFi)との融合
    2. 要因2:規制環境の整備
    3. 要因3:技術的優位性の持続
    4. 機関投資家の参入動向
  5. 5. 潜むリスクと具体的な対策
    1. リスク1:技術的リスク
    2. リスク2:競合リスク
    3. リスク3:規制リスク
    4. リスク4:市場リスク
    5. リスク5:流動性リスク
    6. 総合的なリスク管理戦略
  6. 6. INJトークンの購入方法・始め方
    1. ステップ1:取引所選び
    2. ステップ2:具体的な購入手順
    3. 購入時の注意点
    4. ステップ3:保管方法
    5. ステップ4:ステーキングの検討
    6. 初心者向け:最小構成での始め方
  7. 7. よくある質問(Q&A)
    1. Q1: INJはいくらから投資できますか?
    2. Q2: INJの価格はいくらまで上がる可能性がありますか?
    3. Q3: 他のDEXトークンと比べてINJはどうですか?
    4. Q4: INJステーキングは本当に安全ですか?
    5. Q5: Injectiveは日本の規制に抵触しませんか?
    6. Q6: DeFi初心者ですが、いきなりInjectiveを使って大丈夫ですか?
    7. Q7: INJトークンの将来の用途拡大はありますか?
  8. 8. まとめ:INJは投資に値するか?
    1. 投資判断の3つの軸
    2. 投資リスクの再確認
    3. 私の投資判断
    4. 最終的なアドバイス

1. INJ(Injective Protocol)とは?基本概要

Injective Protocol(インジェクティブ・プロトコル)は、2018年に設立された完全分散型のデリバティブ取引プラットフォームです。簡単に言えば、 「銀行や証券会社を通さずに、株式や先物、為替などあらゆる金融商品を取引できる仕組み」 を提供するプロジェクトです。

プロジェクト基本情報

項目詳細
プロジェクト名Injective Protocol
トークンシンボルINJ
設立年2018年
創設者Eric Chen(元Innovating Capital)<br>Albert Chon(元Amazon)
本社アメリカ
総供給量100,000,000 INJ
コンセンサス方式Proof of Stake(PoS)
公式サイトhttps://injective.com/

なぜInjectiveが生まれたのか?

従来の中央集権型取引所(CEX)には、以下のような課題がありました:

  • カウンターパーティリスク:取引所が破綻すれば資産を失う可能性
  • 取引制限:地域や規制による取引商品の制限
  • 高い手数料:中間業者が存在することによるコスト増
  • 透明性の欠如:取引の裏側が見えない

Injectiveは、これらすべての問題を解決するために開発されました。 ブロックチェーン技術を活用することで、完全に透明で、誰でもアクセス可能な金融インフラを構築しているのです。

「我々のビジョンは、金融の民主化です。世界中の誰もが、平等に金融市場にアクセスできる未来を創造したいのです。」

— Eric Chen(Injective Protocol CEO)

2. Injectiveの5つの革新的特徴

Injectiveが他のDEXプロジェクトと一線を画する理由は、以下の5つの技術的特徴にあります。

特徴1:完全分散型のオーダーブック

多くのDEXはAMM(自動マーケットメイカー)方式を採用していますが、Injectiveは分散型オーダーブックを実現しています。

比較項目従来のAMM(Uniswap等)Injective
価格決定アルゴリズムによる自動計算市場参加者の需給による価格発見
スリッページ大口取引で大きなスリッページ機関投資家レベルの低スリッページ
取引体験シンプルだが制限多しプロトレーダー向けの高機能

これにより、従来の中央集権型取引所と同等の取引体験を、完全に分散化された環境で実現できます。

特徴2:あらゆる金融商品への対応

Injectiveの最大の革新は、暗号資産だけでなく、株式、為替、コモディティ、先物など、あらゆる金融商品を取引できる点です。

取引可能な商品例:

  • 暗号資産現物・先物:BTC、ETH、SOL等
  • 株式:Apple、Tesla、Google等の株価に連動
  • 為替:USD/JPY、EUR/USD等
  • コモディティ:金、銀、原油等
  • 合成資産:独自のデリバティブ商品

従来、これらの商品を取引するには複数の証券会社や取引所に口座を開設する必要がありましたが、Injectiveなら一つのプラットフォームですべてが完結します。

特徴3:高速かつ低コストな取引

Injectiveは独自のCosmos SDKベースのブロックチェーンを採用し、以下の性能を実現しています:

性能指標InjectiveEthereum(比較)
取引速度2秒以下15秒〜数分
処理能力1秒間に1万取引1秒間に15取引
取引手数料0.1%(取引額の)5〜50ドル(ガス代)

この高性能により、機関投資家や高頻度取引業者も満足できる取引環境を提供しています。

特徴4:MEV(最大抽出可能価値)耐性

MEVとは、マイナーや検証者が取引順序を操作して利益を得る問題です。Injectiveは Frequent Batch Auction(頻繁一括オークション) という独自の仕組みで、この問題を解決しています。

具体的なメリット:

  • フロントランニング攻撃の防止
  • より公平な価格での取引実行
  • 機関投資家レベルの約定品質

特徴5:クロスチェーン対応

Injectiveは IBC(Inter-Blockchain Communication) プロトコルを活用し、複数のブロックチェーンとの相互運用を実現しています。

対応チェーン:

  • Ethereum
  • Cosmos
  • Solana
  • Polygon
  • BNB Chain

これにより、どのチェーンの資産を持っていても、Injective上で取引が可能になります。

3. INJトークンの価格推移と市場分析

価格推移の概要

INJトークンは2020年10月にメインネットローンチ後、以下のような価格推移を辿っています:

主要な価格節目:

  • 2020年10月:メインネットローンチ時 約1.5ドル
  • 2021年11月:初回ATH(史上最高値) 約25ドル
  • 2022年6月:暗号資産市場全体の下落で 約2ドル
  • 2024年3月:再び上昇トレンドで 約45ドル(新ATH更新)
  • 2025年1月現在:約20〜30ドルのレンジで推移

価格上昇の背景

INJの価格上昇には、以下の要因が影響しています:

1. プロダクト開発の進展

  • 新機能のリリース
  • パートナーシップの拡大
  • 取引量の増加

2. 市場環境の改善

  • DeFiセクター全体の成長
  • 機関投資家の参入
  • 規制環境の整備

3. トークノミクスの健全性

  • バーン(焼却)メカニズムによる供給量減少
  • ステーキング報酬による保有インセンティブ

取引量と時価総額の分析

指標2024年1月2025年1月(現在)成長率
時価総額約15億ドル約25億ドル+67%
24時間取引量約5,000万ドル約1.2億ドル+140%
プラットフォーム取引量月間10億ドル月間30億ドル+200%

これらの数値は、Injectiveエコシステムの着実な成長を示しています。

4. Injectiveの将来性を支える3つの要因

要因1:伝統的金融(TradFi)との融合

最も重要な将来性要因は、伝統的金融との融合可能性です。

現在、世界の金融市場規模は以下の通りです:

  • 株式市場:約100兆ドル
  • 債券市場:約130兆ドル
  • デリバティブ市場:約1京ドル(1,000兆ドル)

一方、DeFi市場は現在約800億ドル程度です。

Injectiveが伝統的金融商品の取引を可能にすることで、この巨大な市場の一部でもキャプチャできれば、成長ポテンシャルは計り知れません。

要因2:規制環境の整備

2024年以降、世界各国でDeFi規制が整備され始めています。

ポジティブな動き:

  • 欧州のMiCA規制による明確化
  • 米国SECの方針転換
  • 日本の暗号資産税制改正

規制が整備されることで、機関投資家の参入障壁が下がり、Injectiveのような高品質なプロトコルに資金が流入すると予想されます。

要因3:技術的優位性の持続

Injectiveの開発チームは、以下の技術開発を継続的に進めています:

2025年のロードマップ:

  • レイヤー2統合:Ethereumレイヤー2との相互運用性向上
  • AI取引支援:機械学習を活用した取引支援機能
  • モバイルアプリ:一般ユーザー向けのシンプルなインターface
  • RWA(現実世界資産)対応:不動産や商品の証券化取引

これらの開発により、技術的優位性を維持しながら、より多くのユーザーにリーチできると期待されます。

機関投資家の参入動向

実際に、以下の機関投資家がInjectiveに注目しています:

  • Pantera Capital:初期から投資
  • Binance Labs:戦略的投資
  • Mark Cuban:個人投資家として参加
  • Jump Trading:高頻度取引業者として利用開始

機関投資家の参入は、プロジェクトの信頼性と成長ポテンシャルを示す重要な指標です。

5. 潜むリスクと具体的な対策

投資を検討する上で、リスクを正しく理解し、適切な対策を講じることは極めて重要です。Injectiveへの投資には、以下のリスクが存在します。

リスク1:技術的リスク

スマートコントラクトの脆弱性

どれほど優秀な開発チームでも、コードに脆弱性が存在する可能性はゼロではありません。

対策:

  • 複数回の監査実施:Injectiveは主要な監査会社による監査を定期実施
  • バグバウンティプログラム:セキュリティ研究者による脆弱性発見報奨制度
  • 段階的デプロイ:新機能は小規模テスト後に本格導入

投資家としての対策:

  • 分散投資:ポートフォリオの一部に留める(推奨:総資産の5-10%以下)
  • 最新情報の追跡:公式の技術アップデートを定期確認

リスク2:競合リスク

他プロジェクトとの競争激化

DeFi分野は競争が激しく、以下のような競合が存在します:

競合プロジェクト特徴Injectiveとの差別化
dYdXデリバティブ特化DEXオーダーブック方式のみ、商品種類限定
GMX永続先物取引AMM方式、流動性提供者リスクあり
Synthetix合成資産プラットフォーム複雑なトークノミクス、スケーラビリティ課題

Injectiveの優位性:

  • より幅広い金融商品への対応
  • 高い取引性能
  • MEV耐性

対策:

  • 競合分析の継続:四半期ごとの競合比較
  • 技術開発の追跡:ロードマップの進捗確認

リスク3:規制リスク

予期しない規制変更

暗号資産・DeFi分野は規制環境が流動的です。

想定される規制リスク:

  • 特定国でのDeFi取引禁止
  • トークンの証券認定
  • 税制上の不利な扱い

対策:

  • 地理的分散:複数地域での事業展開
  • コンプライアンス体制:法務専門家との連携
  • 規制当局との対話:積極的な情報開示

投資家としての対策:

  • 税務相談:専門家への事前相談
  • 規制動向の監視:関連ニュースの定期確認

リスク4:市場リスク

暗号資産市場全体の変動

INJの価格は、ビットコインをはじめとする暗号資産市場全体の影響を受けます。

過去の相関データ:

  • ビットコインとの相関係数:約0.7(高い正の相関)
  • 市場全体下落時の影響:平均50-80%の価格下落経験

対策:

  • 長期投資視点:短期的な価格変動に左右されない
  • ドルコスト平均法:定期的な小額積立投資
  • 損切りルール:事前に決めた損失ラインでの撤退

リスク5:流動性リスク

十分な取引相手が見つからないリスク

新興プロジェクトでは、時として流動性不足により希望価格での売買ができない場合があります。

現在の流動性状況:

  • 主要取引所での出来高:1日平均5,000万ドル以上
  • DEXでの流動性:総額約2億ドル
  • 流動性提供報酬:年利10-20%程度

対策:

  • 複数取引所の利用:流動性分散によるリスク軽減
  • 成行注文の注意:大口取引時は指値注文推奨

総合的なリスク管理戦略

私が実際に実践している投資戦略をご紹介します:

  1. ポートフォリオ配分:暗号資産全体の20%以下、その中でINJは30%以下
  2. 投資期間:最低3年以上の長期保有前提
  3. 情報収集:月1回以上の開発進捗確認
  4. リバランス:四半期ごとの配分見直し

「絶対に失ってはいけないお金は投資しない」これが鉄則です。

6. INJトークンの購入方法・始め方

実際にINJトークンを購入する手順を、初心者の方でも分かりやすく解説します。

ステップ1:取引所選び

国内取引所での取扱い状況

取引所名INJ取扱い特徴推奨度
bitFlyer大手だが取扱い銘柄少なめ★★☆
Coincheck初心者向けだが銘柄限定★★☆
bitbank手数料安いが未対応★★☆
GMOコイン多機能だが未対応★★☆

残念ながら、2025年1月現在、国内主要取引所ではINJの直接取引はできません。

海外取引所での取扱い状況

取引所名INJ取扱い日本語対応特徴推奨度
Binance部分対応世界最大手、高流動性★★★
OKXアジア系大手★★☆
Gate.io日本語フル対応★★★
KuCoin部分対応中堅、使いやすい★★☆

ステップ2:具体的な購入手順

推奨ルート:国内取引所 → 海外取引所

手順1:国内取引所でビットコイン購入

1. bitFlyerやCoincheckで口座開設
2. 本人確認書類提出(1-3営業日)
3. 日本円入金
4. ビットコイン(BTC)購入

手順2:海外取引所への送金

1. Binanceまたは Gate.io で口座開設
2. BTCの入金アドレス取得
3. 国内取引所からBTC送金(20-60分)
4. 着金確認

手順3:INJ購入

1. BTC/INJペアの取引画面へ
2. 希望数量・価格を入力
3. 指値注文または成行注文で購入
4. INJトークンの着金確認

購入時の注意点

手数料を最小化するコツ:

  • 送金手数料:XRP使用で大幅削減(BTC送金より90%安)
  • 取引手数料:指値注文でMaker手数料適用
  • 為替レート:JPY建てよりUSDT建て推奨

セキュリティ対策:

  • 2段階認証:必ず設定する
  • 出金制限:24時間出金上限を設定
  • フィッシング対策:ブックマークからのみアクセス

ステップ3:保管方法

取引所保管 vs 自己保管

保管方法メリットデメリット推奨シーン
取引所保管簡単、すぐ取引可能ハッキングリスク少額、短期取引
ハードウェアウォレット最高セキュリティ操作複雑、コスト大額、長期保有
ソフトウェアウォレット中程度の安全性端末依存リスク中程度の額

推奨ハードウェアウォレット:

  • Ledger Nano X:INJ対応、日本語サポート
  • Trezor Model T:オープンソース、高セキュリティ

ステップ4:ステーキングの検討

INJトークンは保有するだけでなく、ステーキングで報酬を得ることができます。

ステーキング方法:

  1. Injective Hubでの直接ステーキング
    • 年利:12-18%程度
    • 最小数量:制限なし
    • アンボンディング期間:21日
  2. 取引所ステーキング
    • 年利:8-15%程度
    • 最小数量:取引所により異なる
    • 流動性:即時引き出し可能(一部)

私の実体験: 2023年からInjective Hubでステーキングを継続していますが、平均年利15%程度で安定した報酬を得られています。ただし、トークン価格の変動により元本割れのリスクもあるため、余裕資金での運用が前提です。

初心者向け:最小構成での始め方

予算10万円での推奨配分:

  • 学習用:2万円でまず小額購入・体験
  • 本格投資:5万円で中期保有
  • リスクヘッジ:3万円で他の暗号資産に分散

月々の積立投資も効果的です:

  • 毎月1-2万円の定額購入
  • 価格の変動を平準化
  • 心理的負担の軽減

7. よくある質問(Q&A)

実際に多く寄せられる質問と、専門家としての回答をまとめました。

Q1: INJはいくらから投資できますか?

A: 最小投資額に制限はありませんが、実用的には1万円程度からをお勧めします。

理由:

  • 送金手数料(約1,000-3,000円)を考慮すると効率的
  • 小額すぎると学習効果が薄い
  • リスク分散の観点から最低限の額は必要

Q2: INJの価格はいくらまで上がる可能性がありますか?

A: 価格予想は非常に困難ですが、技術的ファンダメンタルズから分析すると以下の通りです。

楽観シナリオ(5年後):

  • 伝統的金融市場の1%をキャプチリで計算
  • 時価総額1兆ドル到達で、1INJ = 1,000ドル程度

現実的シナリオ(3年後):

  • DeFi市場の10%シェア獲得で計算
  • 時価総額100億ドル到達で、1INJ = 100ドル程度

保守的シナリオ(1年後):

  • 現在の成長率維持で計算
  • 時価総額50億ドル到達で、1INJ = 50ドル程度

ただし、これらは予想であり、実際の価格を保証するものではありません。

Q3: 他のDEXトークンと比べてINJはどうですか?

A: 主要DEXトークンとの比較表をご覧ください。

項目INJUNI(Uniswap)SUSHIGMX
取引方式オーダーブックAMMAMM永続契約
対応商品全金融商品暗号資産のみ暗号資産のみ暗号資産デリバティブ
手数料0.1%0.3%0.25%0.1%
ガバナンス成熟非常に成熟普通成熟
時価総額25億ドル90億ドル5億ドル8億ドル
将来性★★★★★★★★★☆★★★☆☆★★★★☆

INJの優位性:

  • より広範な金融商品への対応
  • 機関投資家レベルの取引体験
  • 高いスケーラビリティ

劣る点:

  • Uniswapほどの知名度・流動性はまだない
  • エコシステムの成熟度で課題

Q4: INJステーキングは本当に安全ですか?

A: 相対的には安全ですが、リスクを理解した上で参加することが重要です。

ステーキングのリスク:

  1. スラッシングリスク:検証者の不正行為により報酬減少
  2. 流動性リスク:21日間のアンボンディング期間
  3. 価格変動リスク:INJ価格下落による元本割れ

安全性を高める方法:

  • 複数検証者への分散:リスク分散効果
  • 実績のある検証者選択:過去のスラッシング履歴確認
  • 余裕資金での運用:生活に支障のない範囲で

私の実体験: 2年間のステーキングで、スラッシングに遭ったことは一度もありません。ただし、2022年の価格下落では一時的に大きな含み損を抱えました。長期的な視点が必要です。

Q5: Injectiveは日本の規制に抵触しませんか?

A: 現時点では個人の投資・保有は問題ありませんが、今後の規制動向に注意が必要です。

現在の日本の規制状況:

  • 個人投資:暗号資産として保有・取引可能
  • 税務上の取扱い:雑所得として申告義務
  • 事業利用:金融庁への届出が必要な場合あり

注意すべき点:

  • 税務申告:年間20万円超えの利益は確定申告必要
  • 海外取引所利用:自己責任での利用
  • レバレッジ取引:高リスクであることを理解

推奨対応:

  • 税理士への相談(特に大きな利益が出た場合)
  • 取引記録の適切な保管
  • 最新の規制情報の定期確認

Q6: DeFi初心者ですが、いきなりInjectiveを使って大丈夫ですか?

A: 段階的なアプローチをお勧めします。

推奨学習ステップ:

レベル1:基礎知識習得(1-2ヶ月)

  • UniswapでDEX体験
  • MetaMaskウォレット操作習得
  • 基本的なDeFi用語理解

レベル2:中級操作習得(1-2ヶ月)

  • 複数DEX利用経験
  • イールドファーミング体験
  • リスク管理手法学習

レベル3:Injective挑戦(準備完了後)

  • 小額から開始
  • 基本機能のみ利用
  • 段階的に高度な機能へ

初心者が避けるべき操作:

  • いきなりの大額投資
  • レバレッジ取引
  • 複雑なデリバティブ商品

Q7: INJトークンの将来の用途拡大はありますか?

A: ロードマップを見る限り、大幅な用途拡大が予定されています。

現在の用途:

  • 取引手数料の支払い
  • ガバナンス投票権
  • ステーキング報酬
  • 流動性マイニング報酬

今後追加予定の用途:

  • 保険プール:プロトコル保険の担保
  • クロスチェーンブリッジ:他チェーンとの仲介
  • AI取引支援:AI機能利用料支払い
  • NFTマーケットプレイス:NFT取引の決済

これらの用途拡大により、INJトークンの需要増加が期待されます。

8. まとめ:INJは投資に値するか?

長文にわたる解説をお読みいただき、ありがとうございました。最後に、 「INJは本当に投資に値するのか?」 という根本的な問いに対する私の見解をお伝えします。

投資判断の3つの軸

技術的優位性:★★★★★

Injectiveの技術的な完成度は、DeFi業界でもトップクラスです。特に:

  • 完全分散型でありながら中央集権型取引所並みの性能
  • あらゆる金融商品への対応可能性
  • MEV耐性など、機関投資家レベルの要求に応える機能

これらの技術的優位性は、短期的には模倣困難であり、長期的な競争力を支える要因となります。

市場ポテンシャル:★★★★★

DeFi市場は現在800億ドル程度ですが、伝統的金融市場は1京ドル規模です。Injectiveが両者の橋渡し役となることで、巨大な成長機会を秘めています。

特に以下の要因から、市場拡大は確実視されています:

  • 機関投資家のDeFi参入加速
  • 規制環境の整備進展
  • ブロックチェーン技術の社会実装

経営チーム・実行力:★★★★☆

創設者のEric ChenとAlbert Chonは、それぞれ金融とテクノロジー業界での豊富な経験を持ちます。2018年の設立以来、着実にロードマップを実行してきた実績があります。

ただし、競合他社と比較すると知名度の面で課題があり、マーケティング戦略の改善余地があります。

投資リスクの再確認

一方で、以下のリスクは十分に認識しておく必要があります:

高ボラティリティ

  • 暗号資産市場全体の影響を強く受ける
  • 短期的には50-80%の価格変動も珍しくない

技術的リスク

  • スマートコントラクトの脆弱性可能性
  • ブロックチェーン技術自体の発展途上性

規制リスク

  • 各国の規制動向による影響
  • 特に日本では海外取引所利用のリスク

私の投資判断

結論として、INJは「慎重な楽観論」で投資に値すると考えます。

投資を推奨する理由:

  1. 圧倒的な技術的優位性:他のプロジェクトでは実現困難な機能群
  2. 巨大な市場機会:TradFiとDeFiの融合による成長ポテンシャル
  3. 実績のある開発チーム:着実な開発進捗と実用化実績
  4. 機関投資家の参入:プロ投資家による品質の承認

ただし、以下の条件下での投資を強く推奨します:

  • 投資比率:ポートフォリオの5-10%以下
  • 投資期間:最低3年以上の長期保有前提
  • リスク許容度:元本割れしても生活に支障のない余裕資金
  • 継続学習:プロジェクトの進捗を定期的にフォロー

最終的なアドバイス

投資は自己責任です。この記事の情報を参考にしつつ、最終的な判断はご自身で行ってください。

特に暗号資産投資が初めての方は、以下のステップを推奨します:

  1. 小額から開始:まず1-2万円程度で感覚を掴む
  2. 基礎学習の継続:暗号資産・DeFiの基本知識習得
  3. 段階的な投資拡大:理解度に応じて投資額調整
  4. 専門家との相談:特に税務・法務面での専門家活用

Injectiveは、分散型金融の未来を切り開く可能性を秘めた、極めて有望なプロジェクトです。 適切なリスク管理の下で、この革新的な技術の恩恵を享受していただければと思います。


【免責事項】 この記事は情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。暗号資産投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。

【参考文献・公式情報】

  • Injective Protocol 公式サイト:https://injective.com/
  • Injective Protocol ホワイトペーパー:https://injective.com/whitepaper
  • Injective Hub(ステーキング):https://hub.injective.com/
  • 開発進捗(GitHub):https://github.com/InjectiveLabs